
天気は悪くなると知っていたのだが、三本槍岳を回って、中の大倉尾根経由、北温泉までの縦走だ。
美味しい朝ごはんをいただいたあと、大黒屋さんを後にする。

小屋の前の水場でプラティを満タンにし、準備運動をして、いざ、出発。

昨日下ってきた、隠居倉からの道を、また登り返す。

いい湯の想い出をくれた、三斗小屋温泉の源泉をすぎ、

笹原を登っていく。

やがて、急傾斜の鎖のある登りをヒーヒー言いながら高度を上げていき、

隠居倉の手前に出たときには、あたり一面のガスと雲。
そして冷たく、強い風が吹き渡る。

真っ白けで視界のきかない山道を登っていると、ときおり風にガスが払われて、行く手の山が見える。

熊見曾根すぐそこだ。

そこから、稜線を歩き、清水平へ。
あの向こうに、三本槍岳があるはずだ。

雨具を着ていても震えるくらいの冷たい強い風に閉口しながら、三本槍岳山頂に到着。

残念ながら、まったく何も見えないが、山頂にあった方位盤によると、360度、東北のいろんな山が遠望できる場所らしい。

来た道を引き返し、北温泉への分岐へ。

ほとんどの人は、右の道を清水平経由で、ロープウェー山麓のほうへと下山していくが、私は左へ。
ほとんどすれ違う人のない、中の大倉尾根へと進む。
ここから風はさらに激しさを増し、ひたすら忍耐の下山。
尾根の最上部を通過し、眼下に尾根を見下ろせるところまで来ると、少し風もおさまってきたようだ。

樹林帯の途中で、山めしランチでカラダを温め、さらに下る。

もう1週間前だったら、まだ紅葉を愛でることができた感じの静かな山道。

どんどん高度を下げ、沢の音が聞こえてくると、

北温泉が見えた。
温泉の手前にある、沢の仮設橋を渡れば、本日のゴール、北温泉。

さあ、冷え切ったカラダを温泉で温め、癒しのビールだ(笑)

北温泉の食事と、温泉の話は、後日の山めし礼讃で。