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2016年08月18日

二軒小屋ロッヂにて

荒川小屋から縦走し、暑い暑い長い長い下りを歩ききって到着した、二軒小屋ロッヂ。

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まずは生ビール!といきたいところだが、グッとこらえ、昨日ずぶ濡れのままになっているザックの中身を乾かさなくては・・・(笑)



二軒小屋ロッヂの受付で宿泊手続きを済ませると、ザックは小屋の外に一旦置いて、部屋だけ案内していただく。

これは、2階の回廊から下の吹き抜け食堂を見たところ。

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部屋は相部屋で、この2階の回廊に点在している。
私が案内された部屋は、6人が入れる段違いのベッド式。

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寝場所のベッドを決めると、一旦ロッヂの外に出て、二軒小屋ロッヂの美しい芝生のテント場で、テントを立ててひっくり返し、フライもひろげ、ザックの中身を全部出して乾かす。

夏の強烈な日差しだったので、ものの30分で全て乾き、それぞれ畳んで、収納して、ザックを背負う。

部屋にザックを放り込んだら、ダッシュで食堂に。

待ちに待った、この瞬間。
テラスで独り、この山旅のゴールに乾杯っ!

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うぐ、うぐ、ぷはぁーーーーーーーーーーーーー!!!!!!

五臓六腑にしみわたるぅっ。

16時のお風呂に一番で飛び込み、その後は夢にまで見た、二軒小屋ロッヂのディナー。

<二軒小屋ロッヂのディナーの様子は山めし礼讃で>
 二軒小屋ロッヂの食事

消灯後は、この3日間の疲れがどっと出て、泥のように眠る。

そして、二軒小屋ロッヂの朝ごはん。

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昨夜のディナーに比べると、グッとシンプルだが、この野菜サラダひとつをとっても、ひとつひとつの野菜の味わいが、噛みしめるほどによくわかる、実に素材を大切に料理されたものだということがわかる。

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肉厚な焼鮭も。

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味噌汁も、ごはんも、こんなに味わて食べたのはいつ以来だろうか。

昨夜のディナーの時の松井シェフの言葉が、実感できる朝食なのだ。

8:00にチェックアウトした後、9:15の始発バスまで間があるので、二軒小屋ロッヂのテント場のテーブルで読書。

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山の冷気がまだ残っていて、すこぶる気持ちいい。

昨日、二軒小屋ロッヂに着いてから、じっくり読んでいるこの本。

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この本の33番目の問いに、いたく心に突き刺さった言葉がある。

 “旅に目的地があるのはいいことだが、
   本当に大事なのは、旅そのものである” 作家 アーシュラ・K・ル=グウィン

目的地(ゴール・成功)にたどり着くことだけを考えるのではなく、
旅そのもの(プロセス)に集中できていますか?

目標も、成功も大事だが、我々がコントロールできるのは、成功できるかどうかではなく
目標を立てたり、それに向かって努力をし、その過程を楽しむことだと。

一昨日の13時間の死闘の後に、本を読んだり、人生のことを考えるゆとりがあっただろうか?

歩ききること、やりきることが目的なら、それもいい。
それもひとつの山歩き。

しかし、自分の山歩きは、考えること、見つけること、感じること、
心豊かになることを目的にしたい。

今、二軒小屋ロッヂの芝生のベンチで、森のすんだ空気を浴びながら、
二軒小屋の夕食と、安眠、そして人に癒され、本を読み、人生を考えるゆとりを取り戻せた。

この、瑞々しい感覚を、忘れないようにしよう。
山と、二軒小屋ロッヂの松井シェフ夫妻、感じのいいスタッフのみなさんに感謝。

ほんとうにいい、南アルプスの山旅であった。


【ハーバードの人生を変える授業(2)】
 ハーバードの人生を変える授業(2)  
 今回の山旅を通して、いたく気づきの多かった、示唆をくれた本。


(完)




posted by げんさん at 04:45 | 東京 ☁ | Comment(5) | TrackBack(0) | 南アルプス 夏山 秋山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
げんさん、お疲れ様でした!
最後は例のKJCが登場人物となるみきさんの「あれを食べに・・・」二軒小屋ロッジのゴーシャスディナーですね♪
私もいつか食べてみたいなぁ。

実は同じ日程で北が駄目なら南のリベンジと思って、
8/10椹島着のバスチケット予約していたんですよ。
行ってたら椹島でバッタリだったかもしれませんね。

それにしてもとんかつの衝撃といったら!?
かなりなショックですが、だからといって、ちょっと先の小屋に食べに行くわけにもいかない距離ですからね〜
でもそこを歩いてしまうげんさんの気力体力がすごすぎます(@Д@;

私は今回、暑い暑い栂海新道への分岐でげんさんのこと思い出していました。
最後は美味しいごはんで締めくくれてよかったですね。

Posted by cyu2 at 2016年08月23日 16:56
>cyu2さん
コメントありがとうございます!

なんと!
椹島でバッタリだったらそうとうビックリですねー
今回は、20年越しのアレも、再び幻のとんかつになってしまいましたが、
また南アルプス南部に行く口実ができました(笑)


cyu2さんも、憧れの小屋での夕食が叶ってよかったですねー
cyu2さんの記事の中から、清水ゆかりさんの「夕飯ですよー」のあの声がそのまんま聞こえてきました。

白馬から朝日のあのコースはこのうえなく好きです。
もちろん朝日小屋の山小屋ごはんも。

Posted by げんさん at 2016年08月23日 23:11
げんさん

南アルプス南部縦走、お疲れさまでした。念願の南部縦走、叶ってよかったですね。げんさんの場合、山歩きよりも、時間をつくることの方が核心だったりしますよね(笑)
わたしはげんさんの逆コースでしたが、越えても越えても目の前に立ちはだかる大きな山、山深い景色の中で迎える朝、雲海に浮かぶ富士山、昼前には湧き上がってしまう雲、げんさんの文章を拝見しながら、記憶がよみがえり、心が震えました。

百間洞のとんかつは、わたしも食べてないので、未踏の大沢岳と絡めて再訪したいなぁ。今度は、椹島から行ってみたいです。二軒茶屋のディナーも(^_-)

途中経過より結果を求められる下界での生活の中で、趣味くらいは途中経過も充実させたいですよね。でも、途中経過に拘りすぎて、行けてない山頂がたくさんあって、結局今自分が山に行けなくなってしまって、それもどうかと思う今日この頃です(笑)

今回は、げんさんにとって、とんかつ敗退が相当なパンチだったのでは?(笑)
いつも途中経過の山旅もちゃんと楽しまれてると思いますよー

素敵なレポをありがとうございました。
Posted by まゆた at 2016年08月26日 10:43
>まゆたさん
コメントありがとうございます!

そうなんです。
南アルプスの稜線で迎える朝、あの清々しさがたまらないんですよね。
あの瞬間と、テント場に着いてからのビールを呷る瞬間。

そのために登ってるんじゃないかと思うくらい(笑)

この山旅を通じてすごく学びました。
結果を出すことも大事だけど、目標に向かって努力することのほうがもっと大切だと。
自分だけでなく、メンバーと一緒に、目標を追いかけながら、ああでもない、こうでもないと途中経過をともに創っていくことが尊い時間だと。
その中で、最短距離、できるだけ成功確率の高いやり方で、かつメンバーの今を超える力量を発揮させて、正しい方向へ導くことこそが、自分の役割だと、そう思えるようになりました。

いつか、まゆたさんと二軒小屋のディナーご一緒したいですね。
百闢エのとんかつも。

ああ、一体何十年越しのとんかつになることやら(笑)


Posted by げんさん at 2016年08月27日 08:20
山の仲間が、「南アルプス深南部 」のガイドブックを書いています。

興味がありましたら。

http://white.ap.teacup.com/something/1003.html

Posted by サムシング田中 at 2016年09月01日 17:27
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