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2012年02月25日

単独行

単独行。



山と渓谷3月号の特集は、「単独行」読本。
その巻頭に、あの鈴木みきさんのインタビュー記事が載っていて
思わず魅入ってしまった。

鈴木みきさんは、「ひとり登山へようこそ!」の著書もあり、
ひとり登山の楽しみ方をよく知っていらっしゃる方。

私も、普段はほとんど単独行。
もともと、山をはじめたきっかけのひとつが新田次郎の「孤高の人」。

みきさんのインタビュー記事にもあるように、
単独行は、常にリスクの高さが指摘されるし、考えるべきことも多い。

みきさんもおっしゃっているように、グループで登っても遭難はあるし、
私自身もグループで登ったときのほうが
ひやりとする場面を経験している。

グループになると(私の場合だけかもしれないが)相互に依存心がでたり
判断が微妙に甘くなったりすることもあった。
ひとりであればこそ、その判断に全ての責任があり、
自分の行動が誰かの迷惑になったりすることを考えると、
自然と慎重に、そして、用意も周到になるように思う。

震災の前までは、出勤の日には毎日、足に片足1.5kgの錘を巻いて
どんな長距離にも、重登山靴にアイゼンをつけてラッセルをしても
ひとりで歩ききるだけの準備をしていた。

山を登っていると、よく見かける光景は、
グループの誰かに装備まで依存していたり、
誰かがやってくれるだろうと思っていたり、
果てには、今日どこに登るの?なんて登山口での会話を聞いて呆れたり。

山も仕事もおんなじで、自分が責任をもつこと、
グループの場合は責任分担や役割が明確にされていて、
同じ目標を同じマインドで共有されていなければ、
仕事の種類によっては大事故にもつながるのだ。
(幸い、私の職種は人が怪我をしたりするようなものではないが)


ともあれ、単独行は山からいろんなことを教えられるし、
グループで登るときよりも、山に対する感受性が鋭くなる。

山をはじめた二十歳の頃は、南アルプスの深山で、
紅く染まった樹木の葉が落ちるのをみただけで
心の琴線が鳴るのを感じたものだ。

仕事をしていれば、なにかしら周囲との関係性は常に気を使うし
この10年ほどは、チームを率いて、いかに地図のない山へ登るか
もしくは、そこに山頂があるのかどうかもわからない霧の中を
チームのみんなに「山はこの方向にある!」と信じさせて計画をたてたり・・・
というような種類の仕事をしておることもあり、
山にいるときにはひとりで自分とだったり、
自然とだったり、対話したい・・・という現実逃避かも(笑)

単独行。
その魅力はひとそれぞれ、求めるものもひとそれぞれ、
そして、責任のもちかたもひとそれぞれだと思うが、
鈴木みきさんのインタビューの最後の一言、

 「・・・だから誰もいないような山が好きだし ・・・
   行ってみて誰もいないとすごくうれしい。
   そうやってひとり、山でにやにやしています(笑)」

ひとりの寂しさに心焼かれるような気持ちも、
こういう心の底からこみあげてくる想いも。
きっと単独行をする人のどこかに、あるのではないだろうか。


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タグ:単独行
posted by げんさん at 14:41 | 東京 ☁ | Comment(4) | TrackBack(0) | 山のよもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も単独派です。全くの同感であります。同じ考えの人がいてうれしく思いました。
Posted by とぼとぼ at 2012年02月25日 22:34
独りじゃないと見えないものもありますよね〜。
私はひとりじゃないとできない適当さが気に入ってます。でも失敗したら全責任です(笑)
Posted by ケン太 at 2012年02月26日 18:00
>とぼとぼさん
コメントありがとうございます!

とぼとぼさんにも共感いただけてよかったです〜
同じように考えて、独りで山を歩いている人がいると思うだけで
なんだか心強くなりますね。
Posted by げんさん at 2012年02月26日 20:16
>ケン太さん
コメントありがとうございます!

あっ、私もテントのなかではけっこう適当な部分が(笑)
単独行の気楽な部分ですね(^^)
Posted by げんさん at 2012年02月26日 20:18
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