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2011年09月29日

木曽駒ヶ岳テント場で

木曽駒ヶ岳テント場で。
見晴らしのいい場所にソロテントを設営。

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まだ時間が早いので、読書で一服といきますか。

おもむろにバーナーをだし、ぶどうの泉で汲んだ
清水を沸かして、珍しくお茶などを。

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一旦沸騰させてから、しばらく冷まし、
60℃くらいまで落ち着いたら、おもむろに玉露を淹れる。

持参した本はこれ。
玉露をいただきながら、森下典子さんの「日日是好日」。

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お茶をはじめて25年の歳月のうちに、おこった出来事を綴った物語。

先日、京都の老舗茶舗がやっている店で、一服いただき、
お茶の素晴らしさにあらためて目覚め、買った本なのだが、
その瑞瑞しい感性についつい引き込まれる一冊。

本文から少し引用。

 “熱いどろどろした液体が、和菓子の甘さと混ざり合った。
  本当においしく練られた濃茶を味わう時、私は、蟹味噌かフォアグラのような
  濃厚で深い味の層の中にのめりこんでいく気がする。
   (中略)
  茶碗から顔を上げた時、私の細胞の間をみどりの風が
  サーッと吹き抜けたような気持ちよさがあった。”

お茶を通して、喜び、悩み苦しんだことを書かれた氏の文章が
ときに重く、ときに軽快に、心の声を聴かせてくれる。

さて、お茶のひとときが終わり、おもむろにひとり晩餐会。
山めしの支度にとりかかる。

まずは、キンキンに冷やして担いできた、ご褒美ビールで、
木曽駒ヶ岳に乾杯っ!

20110824tenba-101.jpg


ぷはあぁあああああああーーーーー!!!!

五臓六腑にしみわたるぅーーー!!

いやあ、この瞬間、たまりませんなぁ。

山めしの酒肴、一品目は、高級コンビーフを湯煎し、
コンビーフのユッケ風を作ってみた。

20110824tenba-104.jpg

こちらの出来上がり具合は、金曜日の山めし礼讃で(笑)

ビールとコンビーフユッケ風ですっかりいいスタートをきり、
2品目は、しいたけのコンビーフマヨ詰めソテー。

ガーリックバターでソテーした、肉厚のしいたけが
なんともいえない旨みをだしていて、白ワインがとまらない。

20110924tenba-102.jpg

メインは、秋のきのこシリーズで、マテ茶鶏ときのこのソテー ホワイトソース仕上げだ。
これまたワインなしでは語れない(笑)

20110924tenba-103.jpg

それぞれの山めしレシピは後日、山めし礼讃にアップします。

ちなみに、この日は新調のワイン専用プラティに、
イタリアの「EST! EST! EST!!」をフルボトル分詰めてきたが
ひとりですっからかんにしてしまった。。。

さて、ビールにワインに、山めしを堪能し、
頃合いはよし、山の夕暮れの景色を見に、小屋の裏手の稜線へ。

残念ながら、めしどきから湧いていた西側からのガスで、
夕日は見えなかったが、茜色に染まる雲のドラマを。

20110924tenba-004.jpg

チラッとだけ、夕日を浴びた宝剣岳のショーもあり。

20110924tenba-003.jpg

雲が落ち着く頃、水平線のような夕暮れの景色が
眼前一杯にひろがった。

20110924tenba-005.jpg

明日の晴天を祈りつつ、テントに戻る。

「日日是好日」の続きを寝袋にもぐりこんで読んだが、
さっきの夕景の昂ぶりがそうさせるのか、
横で静かに鳴っている、キースジャレットのソロピアノの調べのせいか、
悩みぬいていた著者の言葉が、そのままストレートに心にはいってくる。

「聴雨」という掛け軸を見ながら、全身で雨音を聴いた時、
作者は悟りのような境地を経験する。

 “・・・私は「耳」そのものになった。
  急激に聴覚が傍聴するような感じがし、そして一気に何かを突き抜けた・・・。
  
  手順をまちがえていはいけないという緊張も、
  抱え込んだままで常に気にかかっている仕事も、
  今日帰ったらしなければいけない用事も、何もなかった。
    (中略)

  私たちはいつでも、過去を悔やんだり、まだ来てもいない未来を思い悩んでいる。
  どんなに悩んだところで、所詮、過ぎ去ってしまった日々へ駆け戻ることも
  未来に先回りして準備することも決してできないのに。
  過去や未来を思う限り、安心して生きることはできない。
  道はひとつしかない。今を味わうことだ。過去も未来もなく
  ただこの一瞬に没頭できた時、人間はさえぎるもののない自由の中で
  生きていることに気づくのだ・・・・。”

張り詰めていたなにかが自分の中で崩れ落ち、
寝袋の中、声を殺して体の中からボロボロとこぼれるものがあった。

山頂でプシュッ!とやっている瞬間、
山めしを一心に作っているひととき、
声もなく夕景に魅入っているあの一瞬、
もしかしたら自分はそのために山に登っているのかと。

ああ、今日はいい一日だった。

結露が氷になったテントの中で、今、このときをかみしめるのであった。。。。

(つづく)


【森下典子著 「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」】
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posted by げんさん at 12:04 | 東京 ☀ | Comment(6) | TrackBack(0) | 中央アルプス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんたる偶然!

「しいたけのコンビーフマヨ詰めソテー」
私はコンビーフではなくツナマヨ詰めですが、しいたけソテーを食べてました。
24日の夕刻、十文字峠近くの四里観音避難小屋で。
お酒はサントリー角の水割りでしたけど。
ただ、げんさんのように見た目も美味しそうに調理はできませんよー。
味はいいけど見てくれが・・・(笑


>道はひとつしかない。今を味わうことだ。過去も未来もなく

いい言葉ですね。でも一番難しいかな?
過去を引きずり未来を憂うのが人の常。

山に身を置いているときだけでもその瞬間に感動し、五感で感じるものだけを信じたいものですね。
Posted by 秀造 at 2011年09月29日 13:14
>今を味わうことだ。過去も未来もなくただこの一瞬に没頭できた時、

この感覚!
日常に追われ自分を見失っていた時に山が、山だけが与えてくれた自分を取り戻す時間。

だからまた・・行っちゃうんですよね。山^^

「金曜日の山めし礼賛」楽しみにしてます^^
Posted by 221 at 2011年09月29日 22:59
げんさんこんにちは。
同じ日、その夕暮れ前のガスの中、宝剣岳を挟んで反対側の稜線を必死に
歩いていました^^; あの向こう側にいらっしゃったんですね。

美味しいお水で温度にも気を配って淹れたお茶はさぞ美味しいでしょうね〜。
これならお酒の弱い私も楽しめます♪
Posted by きょこ at 2011年09月30日 18:04
>秀造さん
コメントありがとうございます!

なんと、秀造さんもしいたけ詰めですか〜
これはうまみがあって酒がすすみますよねー。

> 山に身を置いているときだけでもその瞬間に感動し

そうありたいものですね。
また、それを感じられるココロとカラダでいられるよう
修練していたいものです。
Posted by げんさん at 2011年10月02日 07:47
>221さん
コメントありがとうございます!

> 日常に追われ自分を見失っていた時に山が、山だけが与えてくれた自分を取り戻す時間。

221さんのブログを拝見していると、
この時間を感じますねー。
山がくれるもの、多いですね。
Posted by げんさん at 2011年10月02日 07:49
>きょこさん
コメントありがとうございます!

きょこさんの空木岳からの縦走記、
拝見してました。
あそこは宝剣岳から空木岳へ歩いたことはありますが
逆コースはしんどいでしょうねー。
記事読みながらハラハラしてましたよ。
カツ丼ありつけてよかったですね。

お茶、いろいろ勉強しようかなと。
茶道はできませんが(笑)
Posted by げんさん at 2011年10月02日 07:57
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