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2010年11月23日

赤い風船 (外山 滋比古)

赤い風船。

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なんで早川尾根の記事の途中に・・・?
と訝る向きもあるかとは思うが、
今回、早川尾根を久しぶりに歩こうと思ったのは、
この方の記事と、この本が発端なのだ。

二十歳のころに歩いた早川尾根。
そのとき、山に持っていったのがこの本。

外山 滋比古先生の「赤い風船」。
外山 滋比古先生といえば、東大生のあいだのベストセラー、
思考の整理学」があまりに有名だが、
私が二十歳頃、この外山 滋比古先生の本をよく読んでいた。

特に外山 滋比古先生の文体が好きで、その中でも
この「赤い風船」は、何気ない生活のヒトコマが描かれているだけの
エッセイ集なのだが、初めての秋の山に独り歩く青年には
いたく心に響くものがあったのだ。

私の文体に多大な影響を与えているのは、
外山 滋比古先生と司馬遼太郎先生。
(なんて書くといっぱしの文学者みたいですが、
 もちろん、ド素人です。両大先生、すいません・・・)

外山 滋比古先生の文体は、英文学研究者らしく、
簡潔明瞭で、いろんなものがそぎ落とされて
文章の純度が高いというか、なんともいえない読後の心地よさがあるのだ。

特に、外山 滋比古先生の「文章を書く心 (福武文庫)」(福武書店の文庫は絶版らしい・・)には
自分の文章を磨くにあたって、最大のバイブルだったといっていい。

話がそれてしまったが、「赤い風船」に書かれたいろんな
ささいな日常の出来事が、こんなに活写されるものか・・・と
感心しきりだったことを想いだす。

この本のタイトルは、その中の一篇、小学校1年生の見知らぬ少女が
赤い風船に願いをこめて飛ばした「がっこうのせんせいに、なりたい」という
メッセージに、思いきって、小学校の彼女宛にはがきを書く
外山 滋比古氏の、ある休日の情景を描いたもの。

その一篇だけでも心がふわっと軽くなるような心持であった。

ところが、このような大事な本を、実家でどこかに紛らしてしまったものか
読みたいと思うのに、でてこない。

このもどかしさをずっと感じていたのだが、
ついに先日、アマゾンの古本マーケットプレイスで
入手したのだ。

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京都にある見知らぬ古書店なのだろうか、
たった一冊の文庫本だが、
丁寧に包まれて、裏にはダンボールも添えて
郵送中にも本が傷まないように、との店主さんの配慮と
本に対する愛情を感じられる。

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ああ、これこれ。
さっそく何篇かのエッセイを読みながら
なつかしさがこみあげてくる。

自分の山行記録もひっぱりだしたりして。

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もちろん山を歩きながらだったり、山小屋で書いたりした記録だから、
推敲したような練れた文章ではないのだが、
最近、ブログでも、書きなぐってしまっているような
自分の文章を自省しつつ、また人に想いを伝えられるような
文を書くように心がけねば、と想いを新たにするのであった。

さて、閑話休題終了。
次回は、早川尾根の最終回だ。

(つづく)


【外山 滋比古先生の「赤い風船」】
 赤い風船 (福武文庫)







posted by げんさん at 12:23 | 東京 ☔ | Comment(6) | TrackBack(0) | 山のよもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんなに博識高い記事の中で、わたしの記事にまでリンク張ってくださって、恐縮です(汗)

げんさんはお若いころから、感性が高い方だったんですねー。わたしの学生時代とは大違い(笑)

これからもげんさんの山のお話、楽しみに待ってますので、じゃんじゃんのぼっつしまってくださいませ。
若いころの山の話とかも、聞いてみたいなー。
Posted by まゆた at 2010年11月23日 18:32
>まゆたさん
コメントありがとうございます!

いえいえ、全然下手の横好き程度で・・・(汗

でもあのころのほうがやっぱり
なんにでも感動できる感性がいまよりあったかな(笑)

 > 若いころの山の話とかも、聞いてみたいなー。

あっ、今もけっこう若い・・・(爆)
いやはや・・・

でも、またいつかテン場で
ゆっくり飲みながらお話したいですねー。
Posted by げんさん at 2010年11月24日 04:48
「赤い風船」は読んだことありませんが、
外山滋比古さんの本はきれいな日本語なので
教材によく使われていますね。
我が家にも何冊かあります。
たしか愛知の方ではありませんでしたっけ?
八丁味噌のことを塩分が少なくて
体に良いを書かれていたのを覚えています。
トシちゃんも愛知産なもので(^^ゞ
また読み直してみようかな(^^ゞ
ちなみに「思考の整理学」は読みましたけど
感心するばかりで実用には到底いたりません(笑;
Posted by sanae at 2010年11月24日 14:18
>sanaeさん
コメントありがとうございます!

私も「思考の整理学」のほうはあまり
身についていないようです(笑)

外山滋比古さんの本を読むと、
文は人なり、という言葉をいつも思い出します。


Posted by げんさん at 2010年11月25日 04:47
知識不足で、外山 滋比古さんは「思考の整理学」しか知らなかったのですが、随分前から執筆されていたのですね。

記事を拝見していて「赤い風船」を読んでみたくなりました。

げんさんも、ぜひ山の本も執筆されてくださいますようお願いいたします(^^)

山メシと山行で人間味あふれるそれはそれはハートフルで素敵なものとなること確実で、山ファンが増えると思います!
Posted by とっきー at 2010年12月08日 09:01
>とっきーさん
コメントありがとうございます!

外山 滋比古さん、かなりロングセラー書かれているのですよ。
就職の面接時に「よく読む作家は?」と聞かれて
外山 滋比古先生と答えたら、シブいねーと
言われたのを覚えています。

山の本・・・
ハートフルではなく。ビールフルになってしまうかも(爆)
Posted by げんさん at 2010年12月09日 04:51
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